マルチ商法は必要悪か絶対悪か
はじめに
前稿は、マルチ商法を断る前提で執筆したものである。
なぜならマルチに賛成か反対かで議論するには、マルチの世間での印象が悪すぎるからだ。
ただそのことはマルチに取り組んでいる者もよく理解していて、彼らは自らの存在を必要悪と捉えて活動している。
したがって世間には、マルチを絶対悪とみなす者と、必要悪とみなす者がいることになる。
そして双方の意見を把握しておかなければ、いざ「必要悪」派に勧誘されたときにマルチをやらない理由が無いため反論ができない(デメリットは多々あるが結果的に権利収入が得られるなら取り組むべきだという考えに反対できない、またあえてE・Sに留まる理由を説明できない)。
本稿では双方の意見および私見を列挙してみる。今後マルチについて考える際の参考にしていただきたい。
必要悪派の意見
・運営会社として法令遵守の姿勢を強化しており、アメリカでは企業格付で高ランクだったり創設者が経済界の重鎮だったりする。
・理解されにくいからこそ考えを反転させやすい。ねずみ講とは全く違っていて、お金・時間・友達が一生涯手に入るものなのだと分かってもらえれば、それまでマルチのアンチだった人にも取り組んでもらえるため、勧誘相手に困ることはない。
・マルチは目的ではなく手段である。権利収入の獲得によって、本来やりたかったことや全く別のビジネス、投資などに、お金・時間の制約なく取り組むことができる。
・運営会社が慈善活動に非常に積極的で、アフリカの発展途上国支援や東日本大震災の復興支援などに莫大な資金を投じている。
・ひとつひとつの商品の質が非常に高い。ビジネスの仕組み上、広告費と店舗運営費がまるまる浮いているので、その余った資金の三分の一を商品開発に充てており(もう三分の二は運営会社と紹介者で按分)、原価率が圧倒的に高い。
・サプリメントは権利収入のコアになるだけでなく、不老長寿のパスポートととなる。
・マルチを始めたことで会社以外の人間関係が築けた人も多く、家族のような距離感で以て、心の拠り所となる。
絶対悪派の意見
・過去の度重なる営業停止等の行政処分により、社会的信用が失墜している。
・活動への理解が中々得られず、活動の事実を伝えただけで問答無用で縁を切られ人間関係を失う事もある。
・たとえお金と時間を得られても、その大半を製品購入とセミナー参加に費やすこととなり、友達もマルチの関係者しか残らないし増えない。
・製品に独自の技術や用語が多用されており、他社製品との比較が難しい。
・成功者と製品に対する異常なまでの信仰心が求められ、お金・時間・友達を捧げることを実質的に強要される。
私見(おわりに代えて)
・説明無しにロゴマーク入りの商品を見せたり所属を話したりすれば批判の的になり、それを分かってるから紹介者側も最初は社名を言わない。そしてそれによって各種法令・規則上グレーゾーンとなっている。
・マルチは世間の中で常に「悪」というマイノリティであり続ける。そんな閉鎖的コミュニティで「神」(運営会社)と「預言者」(成功者)を信仰し続けることは性格上合わない(あくまで開放的コミュニティからそういった閉鎖的コミュニティを俯瞰する立場でいたい)。
・マルチに取り組んだ方が成功するし幸せになれる人たちは存在すると思う(昇進を渇望するタイプとお金が無いことを心から嘆くタイプの人たち)。
・成功するための方法が(各グループ内で)確立されていて、それに従えば誰でも成功できるのは間違いない(ただし信仰心と時間と費用がかかる)。